「動物園で働きたいけど、実際どうすれば良いのか分からない」という方が多いのではないでしょうか?
今回は元動物園飼育員だった私が実体験に基づき「動物園に就職するためには」について解説していきます。
動物園で働くためには
さっそく結論ですが、
動物園で働くためには基本的には動物専門学校へ入ることが一番の近道だと思います。
但し、どの分野でも同じですが、専門学校に入ったからといって全員が動物園に就職できるわけではないということは理解しておきましょう。
私もそうでしたが、好きなことを仕事にしたいと思っている人は想像以上に多いということです。
また、動物園は日本中で158施設ありますが、これって多いようで意外と狭き門なのです。
当時の私もそのことを覚悟した上で元々働いていた会社で働きつつ専門学校に入りました。(後に会社は退職)
家族や当時の職場の上司・先輩・同僚からも大反対でした…
この記事をみているあなたもこのような思いをしているかもしれません。
では、私が実際に動物園で働くまでにおこなったことについて紹介していきます。
動物専門学校へ入学する
まず始めに動物専門学校とは、動物に関わる職業・仕事に就くために必要な勉強ができる学校です。
その中に、学科・コースがいくつかあります。
主に「動物看護」「トリマー」「ドッグトレーナー」「動物園・動物飼育」「ドルフィントレーナー」などなど
動物園で働くという明確な夢があったので「動物園・動物飼育専攻」の学科へ入学しました。
(10年以上前のことなので現在は専攻名も変わってます)
ちなみに学校名自体も変わったりしてます。
私のときはほとんどが高校卒業後に入学してくる人がほとんどでした。
中には私のように会社員として働いていたけど、どうしても夢が諦めきれずに辞めてきた仲間がいてました。
ここで出会った素晴らしい仲間は本当に人生の宝物になりました。
動物専門学校で実際にどんなことをするか
私が通っていた 「動物園・動物飼育専攻」 は2年制となっており、1年目に動物飼育に関する基礎知識の講義があったり、
実習を行ったりしながら動物に対する知識を身につけていきます。
講師の先生は動物園で働いていた方達が多かったのでリアルな体験談を聞くことができたのは良かったなぁと思いました。
たまに特別講義もあったりして、畑正憲さん(ムツゴロウさん)がきてくれた時はテンションが上がりました。
2年目からは自分が一番力を入れて取り組みたいゼミを選択していく形になります。
また、1年目の後期ぐらいに海外研修というイベントがありました。
私の時はオーストラリアに1週間行きましたが、アフリカのサバンナに行く年もあります。
学校ということで、スポーツフェスタや文化祭というイベントもありましたが、個人的にはそこは無くてもいいのでは?
という気持ちです…
なぜならこっちは本気で動物園に入るためにわざわざ会社辞めてまで来てるって自分自身が思っていたからです(笑)
動物専門学校の学費に関して
2年間でざっくりですが、400万円前後は掛かったんじゃないかと思います。
正直これは高いのではと思いますが、動物や諸々の施設維持に掛かるお金も考えると仕方ないのかなとも思いますね。
動物専門学校からの主な就職先(動物園)
- 東京都恩賜上野動物園
- 多摩動物公園
- 東武動物公園
- 富士サファリパーク
- 市原ぞうの国
- 秋吉台自然動物公園サファリランド
- 阿蘇カドリー・ドミニオン
- 到津の森公園
- 松江フォーゲルパーク
- 長崎バイオパーク
- ピクニカ共和国
- 池田動物園
- 東北サファリパーク
- 姫路セントラルパーク
- 那須どうぶつ王国
- 群馬サファリパーク
- 神戸どうぶつ王国
- 京都市動物園
- しろとり動物園 などなど
私は「ひーめせーんごーごごー♪」というCMでお馴染みの姫路セントラルパークに就職することができました。
最近は、自虐ネタCMを敢えて流すことで来客数が大幅に増えているという姫センならではの面白い取組が話題になっています(笑)
関西の方なら1度は行ったことありますよね?
具体的には、1年目から2年目でインターンシップを受け入れてくれている動物園4箇所ぐらいに実際に実習という形で体験させて頂き、その際に企業側から一緒に働きたいと思われるとオファーがくるという制度で内定を獲得しました。
インターンシップの際にも、一般の就職活動と同様で履歴書・面接はあります。
履歴書が苦手な人でもキャリアセンターという学校のサポート体制が整っているので安心です。
動物飼育員のメリット、デメリット
あくまでも私がこれまで体験してきたことや実際に動物園で働いて感じた個人の意見として参考にして頂けたらと思います。
動物飼育員のメリット
- なんといっても「大好きな動物達と毎日関わることができる」ということでしょう。
動物好きな人にとってはこれ程幸せなことはないでしょう。 - 新しい命の誕生を間近に感じられる。
- 毎日仕事として動き回るため体力がつきます。
- 動物業界への転職は比較的有利です。
動物飼育員のデメリット
- 生き物相手なので、どうしても死とも向き合う必要があります。
- 体力がいる仕事なのでずっと続けるとなると体力的にしんどくなる可能性が高いです。
(重いものを毎日運んだりを繰り返した結果、私は若くして腰痛になりました…) - 野生動物と毎日関わることで、常に危険とも隣り合わせであるということ。
- 動物業界以外への転職は職務経歴を軽視され易いです。
- なんといっても全体的に給料が低いということでしょう。
最近の動物園で起こった事故の事例として、
「飼育員がトラに襲われ負傷」の記事もぜひ参考にして下さい。
元飼育員からのアドバイス
ここであげたメリット・デメリットはほんの一例です。
私もそうなんですが、
意外と動物を好きな気持ちが強すぎて競争倍率が高い動物園に入ることだけを目標(ゴール)とし過ぎて一生懸命になっている人が多かったように思います。
もしこれから動物園・動物業界で働きたいと夢みてる方へ向けてのアドバイスとして、自分なりに次のことを明確にしておくことが一番大事だと感じています。
それは「動物飼育員になってからどうしたいか」「給料面も含めて生活していけるのか」「体力的に考えてずっと続けていくことができるのか」
ちなみに当時の私は完全に入ることだけが目標になっていた為、入ってからのギャップが大きかったです…
とはいえ
誰にでもできる経験ではないことは間違いないので、やったことに後悔はしてないです。
まとめ
結論ですが、「一般人が動物園で働くためには」ということでいえば、やはり最短ルートは動物の専門学校に行くことなのかなぁと思います。
但し、お金がそれなりに必要となるうえに働き出してからの給料面についても、しっかりと考えて最終的には自分で決めるのが一番だと思います。
その時の勢いだけではなく、一度冷静に考える時間を持つということも大事でしょう。
これからの人生何をするにしても「自分で決断する」ということは、凄く大事なポイントです!
納得するまで悩んだ結果であれば何をするのも責任は自分にありますからね。
真剣に考えて行動できていれば、必ず道は拓けます。
私が知っている中でも、働きながらトリマーになりたくて頑張っている人もいます。
ゾウの飼育員になりたくて、大学に行き頑張っている人もいます。
色んな生き方があるからこそ、それぞれ生き甲斐も違うのだと。そんな皆が持っている夢を私は応援していきたいと思い本記事を締めくくりたいと思います。
ブログのテーマでもある ~過去は変えれないけど、未来は変えることができる~
このテーマで今後も少しでも多くの人に自分の経験談から学んできたことについて情報発信をしていきたいと思っております。
最後に下記写真は私がワラビーの飼育担当となった時に誕生したワラビーの子どもです。
とても人懐っこくて可愛い子でした。
今も元気にしてるかな~と ふと思うときがあります。
この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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