新年早々の2022年1月5日、動物園で目を疑う事故が起きニュースになっていました。
事故から3ヶ月が経ちますが、本ブログ記事として残しておこうと思います。
栃木県那須町にある「那須サファリパーク」で飼育員の男女3人がトラに襲われ負傷。
最初に襲われた1人は右手首を失う重傷。
その後、叫び声を聞いて駆けつけた2人の飼育員も襲われてしまう。
幸いにも命に別状はなし。
この事故は、開園前の準備をしていた際に起きたことです。
飼育員はこういった危険と本当に隣合せであることを改めて痛感します。
事故原因は???
あくまで私が元飼育員として経験した立場での考えです。
前日に屋外展示場から屋内飼育施設内の獣舎へ収容が確認できていなかった
2人作業が原則徹底されているにも関わらず、他の作業が重なる時や繁盛期は特に注意が必要となります。
今回は、トラ収容時に施設周辺の雪かきを行っていたことが分かり、その為にトラを確実に獣舎へ収容したかどうかの確認が不十分であったことが一番の原因だと考えられます。
当日に獣舎に入っていると思い込んで屋外展示場へ繋がる通路を開けた
事故があった当日は別の飼育担当でしたが、当然獣舎に入っていると思っており、確認することを怠り通路スペースの鍵を開けて屋外展示場の確認をしようとした。
普段は絶対にいるはずが無いのですが、「必ず確認する!」ということの徹底ができていなかったことにも問題があると考えられます。
叫び声を聞き、すぐに助けに入った
悲鳴が聞こえて駆けつけた別の飼育員2名も助けに入り同様に襲われてしまった。
ということですが、「すぐに助けないと」と思うあまりの行動だと思いますが、結果として負傷者が増えてしまった。
最悪の事態の想定が普段からの業務に関係することです。
肉食動物である以上、すぐに麻酔銃での対応が必要だったと考えられます。
※しかしながら、今回動物側には何の責任もなく飼育員側に完全に落ち度があったことは十分に理解しておく必要があります。
まとめ
今回の事故で改めて動物飼育員という仕事が常に危険と隣合せであることがお分かり頂けたと思います。
※余談ですが、動物園で飼育員になってから生命保険に入ると一般会社員と比べて割高になります。
飼育員もベテランから若手がいてますが、最近では若手が中心となってきている施設が増えてきているようにも見受けられます。
今回の事故においても正にそんな感じのような気がしてなりません。。。
また、このようなことは動物園のみならず、企業においても同じようなことが言えます。
私たちが働くうえで「確認不足によるミス」や「思い込み」という言葉を幾度と無く耳にします。
定められたルールがそれぞれにあり、そのルールが何の為に定められたものなのか。
誰もが同じ水準でこなす事ができる「マニュアル化」が進められてきてはいますが、どんな仕事でも「経験値」というものもある程度は求められるというのも事実です。
今回の事故を反面教師とし私自身も日常の小さなことから、日々の生活を見直していきたいという思いを込めて。
今後このような事故が起こらないことを切に願います。
好きだけではなく、飼育員になった後も大事ということが理解できると思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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